こんにちは!向上 条 です。
なぜなぜ分析はを仕組みとしても取り入れて、
「なぜ」を考える時間も確保している。
それなのに
同じような失敗が、何度も起きている。
失敗の数が、思ったように減らない。
そんな状況が続いたとき、
こんなことを感じたことはないでしょうか。
「本気で失敗したと思っているのかな?」
「ちゃんと反省しているんだろうか?」
仕組みとしても回っているし、
失敗事例でよく見るような
“明らかな間違い”があるわけでもない。
それでも現場の手応えとしては、
・同じようなことが、また起きている気がする
・分析はしているのに、失敗が減らない
・やっている割に、変化が実感できない
そんなモヤっとした感覚だけが残る🌫️
この記事では、
なぜなぜ分析を
「やっていないから」でも
「やり方を間違えているから」でもなく、
仕組みとして回しているのに、なぜ効果がなくなるのか
その理由を、個人の意識やスキルではなく、
現場の構造や運用の視点から整理していきます📝
なぜ「効いていない感覚」だけが残ってしまうのか
成果を実感しにくい活動には、共通した特徴がある
なぜなぜ分析に限らず、
現場で「ちゃんとやっているはずなのに、手応えがない」
と感じる活動には、いくつか共通した特徴があります。
たとえば、
・やったかどうかは分かるが、何が変わったかは分かりにくい
・記録や資料は残っているが、振り返られることが少ない
・次の判断や行動に、どうつながっているのかが曖昧
こうした状態では、
活動そのものを否定する理由はないものの、
「効いている」と胸を張って言える材料も見えにくくなります。
なぜなぜ分析で感じるモヤっと感も、
この延長線上にあることが多いように思います。
なぜなぜ分析の基本的なやり方や、よくある失敗例については、別の記事で整理しています👇️
👉️ 📦なぜなぜ分析のやり方|製造業の事例と初心者が失敗しないコツ
「問題が解決したか」ではなく「処理されたか」で終わっている
もう一つ、手応えが残りにくいときに多いのが、
問題が「解決されたか」ではなく、
「処理されたかどうか」で区切られているケースです。
・決められた手順は踏んだ
・必要な書類は作成した
・報告や共有は一通り終えた
ここまで来ると、
業務としては一区切りついています。
ただ、
「では次に同じことは起きないか?」
「現場の判断や動きは変わったか?」
と考えると、答えに詰まる。
このズレが積み重なることで、
なぜなぜ分析は
“やってはいるが、効いている実感がないもの”
として受け取られるようになっていきます。
なぜ「なぜなぜ分析」が「作業」になってしまうのか

なぜなぜ分析が「業務フロー」に組み込まれたときに起きること
なぜなぜ分析が現場に定着していく過程で、
多くの場合、
業務フローの一部として組み込まれていきます。
・トラブルが起きたら、なぜなぜ分析を実施
・決められたフォーマットに記入
・期限までに提出
こうした流れ自体は、
決して間違っているわけではありません。
ただ、なぜなぜ分析が
「やる・やらない」の判断を通り越して、
「やることが前提」になったとき、
少しずつ性質が変わっていきます。
本来は、
「立ち止まって考えるための道具」だったものが、
いつの間にか「処理すべき工程の一つ」として扱われるようになるのです。
「5回なぜを書く」が目的になってしまう瞬間
なぜなぜ分析が作業化していくと、
次に起きやすいのが、
「どこまで考えればいいのか」が
形式によって決まってしまうことです。
代表的なのが、
「なぜを5回書く」というルールです。
本来これは、一度で終わらせず、
視点をずらしながら考えるための目安でした。
しかし、運用の中でこれが
「5回書けば終わり」
という意味合いに変わってしまうと、
思考よりも回数が優先されます。
・4回だと足りない気がする
・6回だとやりすぎな気がする
そんな空気の中で、
なぜなぜ分析は考える時間ではなく、
埋める作業に近づいていきます。
「書いたかどうか」が評価軸になっていないか
もう一つ、
なぜなぜ分析が作業になりやすい理由として、
評価のされ方も関係しています。
・フォーマットが埋まっているか
・提出期限を守っているか
・必要な項目が抜けていないか
こうした点は確認しやすく、管理もしやすい部分です。
一方で、
・この分析で何が変わったのか
・次の判断にどう使われたのか
といった点は、評価しにくく、共有もしづらい。
結果として、
「考えたかどうか」よりも「書いたかどうか」が
無意識の評価軸になっていきます。
こうして、
なぜなぜ分析は
少しずつ“考える道具”から“作業”へと変わっていきます。
なぜ原因が「人の問題」に寄ってしまうのか
「人の問題」にすると話が早く終わる
なぜなぜ分析を進めていくと、
原因が
・確認不足だった
・意識が足りなかった
といった形に落ち着くことがあります。
これは、
現場の誰かを責めたいからというよりも、
そのほうが話をまとめやすいから、
という側面が大きいように思います。
原因を「人」に置くと、
・やり方そのものを疑わなくていい
・今の仕組みを見直さなくていい
・これまでの判断を否定しなくて済む
つまり、
自分たちの考え方や前提を深く掘り返さずに済むわけです。
人の問題にすることは、楽をしているというよりも、
「これ以上考えなくて済む」方向に自然と話が落ち着いている
と表現したほうが近いかもしれません。
「注意する」「確認する」で終わらせない再発防止策の考え方については、こちらで詳しく整理しています。
👉️ 📦 再発防止策の立て方|「確認します」で終わらせない!現場で効く対策ステップとコツ
「真因じゃない」と分かっていても、止まってしまう瞬間

なぜなぜ分析を進めていると、原因として
・調子が悪かった
・眠かった
・注意が足りなかった
といった言葉が出てくることがあります。
それが完全に間違いだとは思いません。
ただ同時に、
「本当にそこが原因なんだろうか?」
という引っかかりが残ります。
たとえば、
同じようなミスが何度も起きているのに、
・注意する
・確認を徹底する
といった対策が、毎回ほとんど同じ形で書かれていく。
報告を見返すと、前回とよく似た文章が並んでいる。
そのとき、
「これは真因じゃない気がする」
と思ったとしても、
例えば、
・やり方そのものに無理はなかったのか
・判断を個人に任せすぎていなかったか
・そもそも、こういう流れになりやすい仕組みになっていないか
まで踏み込もうとすると、一気に話が大きくなります。
自分たちのやり方や前提を一度疑うことにもなるし、
すぐに答えが出る話でもありません。
だからこそ、無意識のうちに
「今回はここまででいいか」
「そこまでは踏み込まなくていいか」
という空気が、その場をまとめてしまう。
こうして、
本当は違うと感じていながらも、仕組みの話に踏み込めず、
“人の問題”という分かりやすいところでなぜなぜ分析が止まってしまう
ことが起きます。
人の問題に見えて、実は仕組みの問題だった例は、ルール運用の話でもよく起こります👇️
👉️ 🧠守られないルールの原因と改善方法|現場に合った仕組みの作り方
その結果、「効いていない感覚」だけが残る
その結果、
対策も自然と似たものになります。
・注意を徹底する
・教育を行う
・意識づけを強化する
これらが間違いというわけではありません。
ただ、
仕組みや考え方が変わらないままでは、時間が経つにつれて、
また同じ判断・同じ状況が生まれやすくなります。
結果として、
「対策はやっているはずなのに、また起きた」
「なぜなぜ分析は実施しているのに、手応えがない」
という感覚だけが残る。
記事の冒頭で触れた
“効果が見えてこない”という違和感は、
まさにここから生まれているように思います。
それでも、なぜなぜ分析を続ける価値はあるのか
なぜなぜ分析は「根本原因の仮説を立てるための道具」
ここまで読むと、
「じゃあ、なぜなぜ分析って結局ダメなんじゃ…?」
と感じた人もいるかもしれません。
ただ、なぜなぜ分析が期待した効果を出しにくいのは、
ツールとして劣っているからではありません。
多くのケースで現場で手応えが出にくくなるときは、
根本原因を探そうとしているからではなく、
なぜなぜ分析で出てきた原因を
「これが答えだ」と一度で決め切ってしまうことに
無理がある場合が多いように感じます。
なぜなぜ分析で見えてくるのは、多くの場合、
「今の情報から考えると、ここが怪しそうだ」
という根本原因の仮説です📝
条件や前提が変われば、
見え方が変わることもありますし、
あとから新しい事実が分かることもあります。
だからこそ、なぜなぜ分析は
一度で答えを決め切るためのものではなく、
「次に何を変えるべきか」を考えるための
仮説を置く道具として使ったほうが、
現場では機能しやすいと感じます。
なぜなぜ分析が生きるのは「判断の前後」
なぜなぜ分析が
一番力を発揮するのは、
結果が出た“あと”だけではありません。
むしろ重要なのは、
・次にどう判断するか
・どこまで手を打つか
・何を変えて、何を変えないか
といった、
判断の前後に関わる場面です。
なぜなぜ分析を通して、
「今回の原因は、どこにありそうか」
「次に同じ状況が来たら、何を変えるか」
を言葉にしておく。
それだけでも、
次の現場での判断は、確実に変わってきます。
なぜなぜ分析は、
結果を説明するためだけでなく、
次の行動を選ぶための材料として使ったときに、
一番意味を持つように思います。
まとめ│なぜなぜ分析は「正しく書くこと」より「どう使うか」
なぜなぜ分析のやり方は、
多くの現場で、大きく間違っているわけではありません。
仕組みもフォーマットも考える時間も
確保しているのに、それでも、
やっている割に、手応えが残らない。
同じような失敗が、なかなか減らない。
そんなときに見直したいのは、
なぜなぜ分析を
「正しく書けているか」ではなく、
「そのあと、どう使っているか」です📋
なぜなぜ分析で見えてくるのは、
多くの場合、
「これが真因だ」という答えではありません。
今の情報や状況から考えた、
ひとつの仮説です。
だからこそ、
一度で完璧な結論を出そうとする必要はありません。
大切なのは、
分析が終わったあとに、
次の判断や行動に
何か一つでも変化が生まれているかどうか。
もし、なぜなぜ分析を終えたあとに
少しでも迷ったら、
最後に一つだけ確認してみてください✅
「この分析を受けて、次に何を一つ変えるか?」
大きな仕組み変更でなくても構いません。
・確認の順番を一つ変える
・判断の基準を一言だけ足す
・次に見るポイントを一つ決める
なぜなぜ分析の結果を、
必ず「次の行動」に一つだけ落とす。
それだけで、
なぜなぜ分析は
ただやっているだけの作業から、
少しずつ現場で効いていく道具に変わっていきます。
なぜなぜ分析で「どこが怪しそうか」が見えてきたあと、
それをどう整理し、どう判断につなげるかで迷うこともあると思います。
原因を感覚ではなく、整理して考えるための道具として、
QC七つ道具の考え方も参考になります。


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